なくしもの

イヤホンを無くした!と思って、家中探し回った。いつも持ち歩いているポシェットの中にない。荷物を出して置いておくことが多いカウンターの上にない。テレビの前のテーブルの上にもない。家の中にはないのか。

最後に使ったのはいつか思い出そうと、自分の行動を遡った。昨日と一昨日、パッと出てきたのが職場に行ったことと、仕事をしたことだけだった。ちゃんと思い返せば、スーパーで買い物をしたり、サーティワンでアイスを買ったり、副音声で映画を1本見たりと、仕事以外もしているというのに。こうやって記憶を無くしていくから、イヤホンもなくなるのか。

昨日は昼休みに動画を見ようと思ったのに、ポシェットにイヤホンがなかったので見られなかったことを思い出した。昨日でもない。一昨日もイヤホンを使うようなことはしていない。

となると日曜日か。日曜日は外で動画を見たことを思い出した。日曜日に持っていたかばんを探ったが、空っぽ。忘れてきたかと思ってヒヤヒヤした。

最後にダメ元で職場に持っていく用のポーチの中をみたら、あった!記憶にはないが、大きさ的にもしかしたらここに入れるかもしれない。昼休みに使いたいと思ったら仕事に持っていく荷物の中に入っているかもしれないと考えた。正解だった。

自分の行動を遡ってみて、たったの三日なのに、どんどん忘れていくのだなと思った。日常の、その時はいつもとちょっと違うことだったとしても、たった三日で、三日といわず一日で忘れてしまう。

脳みそは常に新時代を進んでいる。そんなふうに思えば後ろ向きにならずにすむのかな。